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相続財産の主な分け方 3パターン

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

京都府向日市、長岡京市を中心に公正証書遺言の作成支援をしております行政書士の林宏雄です。

 

今回のテーマは「相続財産の主な分け方3パターン」について。

 

遺言や相続の手続に関わる士業などは別にして、一般的には身内で相続の手続に直面することは人生の中でそれほど多くはありません。しかしある時、病気や事故などによって急に起こってしまうこともあるかもしれません。

 

実際のご相談でにおいても、いざ身内で相続が発生したときに、精神的な不安もある上に、どのようにして財産を分けたらよいかまで分からないといったこともあります。

 

インターネットの情報でも相続に関する内容は様々あるとは思いますが、本ブログでは相続財産の分け方について主なものをご紹介させて頂き、少しでも気持ちの整理につながれば幸いです。

 

目次


1,相続財産の主な分け方は3パターンあります

「相続」とは、個人が亡くなった場合に、その亡くなった人が持っていた財産や、権利・義務をその人の配偶者や子など一定の範囲の親族に承継させる制度のことをいいます。

 

そしてその相続は人が亡くなった瞬間から、法律に沿った形で始まっています。

 

しかし財産の分け方については、その亡くなったご本人の生前の意向や、のこされたご家族の状況も様々であることから、柔軟に決めることができるよう、これもまた法律で定められています。

 

その決め方というの①法定相続、②遺産分割、③遺言の3パターンが基本になります。

 

▶①法定相続分による分け方

まず最初に、法定相続分による相続についてです。

法定相続分というのは、民法で定められている相続分の割合のことをいいます。

どのように定められているのかというと

  1. 相続人が「配偶者」と「」の場合、「配偶者」1/2、「子」1/2
  2. 相続人が「配偶者」と「両親」の場合、「配偶者」2/3、「両親」1/3
  3. 相続人が「配偶者」と「兄弟姉妹」の場合、「配偶者」3/4、「兄弟姉妹」1/4
  4. 相続人が「配偶者」または「」、「両親」、「兄弟姉妹」のみの場合、それぞれが100%の割合

なお、子や両親、兄弟姉妹が複数人いる場合は、各自の相続分はその人数で割ることになります。各自の相続分は等しくなるということです。

(「民法上の法定相続人の範囲と相続割合」参照)

 

以上が、民法で定められている相続人のパターンと相続割合で、この法定相続分による分け方が相続の原則になります。

 

しかしながら実際の場面で法定相続分通りに相続してしまうと困ってしまうことがあります。

 

例えば、「配偶者」と「子A、子B」の3人が相続人で、ある不動産を法定相続した場合はどうでしょうか。

 

法定相続分による各自の相続割合は「配偶者」1/2、「子A」1/4、「子B」1/4をそれぞれの持分として建物を共有することなります。

 

建物の所有が共有状態で問題なのは、建物を売却して現金化したいような場合は共有者全員の同意が必要ですが、相続人全員が売却に賛成するとも限りません。

 

相続人である子に更に相続が発生してまえば、複雑な共有状態になってしまいます。

 

このように相続後の処分をスムーズに行うことができない恐れがあります。

 

したがって、法定相続分通りの相続を行うケースというのは相続人の間で争いが起こらない場合や、相続財産が預貯金だけといような場合に限って行うべきでしょう。

 

▶②遺産分割協議による分け方

一番多くの人がとられている方法はこの遺産分割協議による相続といえます。

 

なぜ一番多いのかというと、のこされたご家族や相続人の状況によって柔軟な分け方ができるからです。

 

例えば、これまで通り自宅に住めるように配偶者には自宅不動産を、子A、Bはそれぞれ独立してマイホームを持っているから預貯金を、というふうな柔軟な分け方が可能になります。

 

ただし、この遺産分割協議で注意しなければならない点は

  • 相続人全員の協議によりその全員が財産の分割に同意していること
    →相続人全員の署名と押印(実印)が必要
  • 相続人に未成年者認知症の人などがいる場合は代理人をたてる必要がある

ということです。

 

上記に反する遺産分割協議は無効となります。

 

とはいえ、相続人がきちんと特定できて全員で協議をした結果、異議なし!ということであれば、協議の内容を記載し相続人全員の署名と押印(実印)をして遺産分割協議書として書面化できれば、その後の不動産をはじめ各名義変更手続きに進むことができます。

 

▶③遺言による分け方

3つ目は遺言による分け方になります。

 

この方法は、亡くなる方が生前に自身の意思において決めるものです。

 

法定相続や遺産分割協議のように、のこされた相続人が決める方法とは少し異なりますが、財産を分けるという意味においては「遺言」による相続も可能です。

 

そもそも誰の財産を分けるのかという点ではその財産の持ち主であり、主人公と言えますので、その本人(遺言者)の意思が100%反映されている遺言書相続において最優先されます。

 

ただし、この遺言制度も遺留分といって、一定の相続人が相続財産の取得を保証されている一定割合もしくは一定額が定められていますので、その分を超えてもらいすぎている財産がある場合には、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性がありますし、相続人全員の合意があれば遺言書とは異なる財産の分け方を可能になります。そういう意味においては遺言も絶対的なものではありません。

(「遺留分って何?」参照)

 

2,どの分け方がベストなのか

法定相続、遺産分割協議、遺言と3パターンを説明してきました。

 

一体どの分け方がいいの?ということになりますが、一概にどうとは言い切れないのが正直なところです。

 

なぜなら亡くなられている方の意思や残されたご家族の構成、財産の内容など状況が全て異なるからです。

 

ただし、まず最初にやって頂きたいことがあります。
それは、人が亡くなられて相続が発生した場合は、まず「遺言書の有無」の確認をするということ。

 

もし遺言書がなければ「法定相続」か「遺産分割協議」の2択になりますが、通常であれば相続人の間でどのように財産を分けるのかを話し合う「遺産分割協議」を選択した方がよいと思います。

 

なぜなら、「法定相続」の場合は財産の権利関係が複雑になるリスクがあるからです。

またそれぞれ生活環境の異なる相続人にとって実質的に公平な分け方にならない可能性があります。

 

実際に多くの場合は「遺産分割協議」が行われていますし、後の名義変更手続きの点から、法定相続分による分け方を採用したとしても相続人による話し合いをして遺産分割協議書を作成する人もいらっしゃるくらいです。

 

3,まとめ

これまでご紹介してきましたように、相続財産の分け方には主に3つのパターンがあります。

 

実際の相続の流れから言いますと、まずは「遺言書があるかどうか」を確認した上で、遺言書があれば、その内容通りで進めるのかどうか、遺言書がなければ法定相続か遺産分割協議かを検討します。

 

相続人が複数人いる場合や相続財産に不動産が含まれている場合は遺産分割協議で分け方を決める、という流れが一般的にはよいと思います。

 

先にも触れましたが、相続の進め方として、正解は1つだけではありません。

 

様々な状況を考慮して制度をうまく活用しながら、残されるご家族にとっても安心できる選択肢を探す意味では相続や遺言を主に取り扱う行政書士や司法書士など専門家のサポートも検討してみてもよいかもしれません。

 


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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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