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遺言で寄付をお考えの方は知っておこう!遺贈寄付の注意点

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

京都府向日市、長岡京市を中心に公正証書遺言の作成支援をしております行政書士の林宏雄です。

 

今回の内容は「遺言で寄附をお考えの方は知っておこう!遺贈寄付の注意点」について。

 

「遺産を○○に寄付してほしい」旨を遺言書に書いておけば、相続人や、後述しますが遺言執行者などが寄付の手続きを代わりに行ってくれます。このように死後、遺言によって無償で財産を譲ることを「遺贈(いぞう)」といい、遺贈によって寄付を行うことを「遺贈寄付」といいます。 遺贈をする先は相続人に限られず、遺言者が望む人や団体などへ自由に寄付することができます

 

今回は、この遺贈寄付について注意点などをご紹介したいと思います。

 


目次


1,遺言により寄付をするには2種類ある

遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」という2つの種類があります。

遺言者が希望する寄付を実現するためには、遺贈寄付の種類を知っておくことが大切です。

なぜかというと、種類を知らずにいきなり遺言書を作ってしまうと、思わぬ事態になりかねないからです。 

特定遺贈と包括遺贈の意味や違いについて、順番に見ていきましょう。

 

❚ 特定遺贈とは

 

特定遺贈とは、財産の一部を特定して遺贈する方法のことです。例えば「所有不動産を亡き長男の妻〇〇に」や「預金100万円を認定NPO法人〇〇に」などです。 

 

❚ 包括遺贈とは

 

包括の意味は「ひっくるめて一つにまとめること」ですが、包括遺贈は「全財産の2分の1を○○に遺贈する」のように、種類を問わず財産の全体について割合を指定して遺贈する方法です。その財産を受ける人(または法人)を包括受遺者と言います。

 

民法では「包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する」と規程しています。つまり、包括受遺者は相続人とほぼ同じ立場になるということは、プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も被相続人から引き継ぐことになります。※この点は後ほど触れます

 

このように、特定遺贈や包括遺贈は、遺言における財産分与の指定方法ということになりますが、それぞれ法的性質が異なりますので押さえておきましょう。

 

2,遺言による寄付をするとメリットがあります

遺言による寄付のメリットは2つあります。

 

❚ 社会貢献

 

病気の治療のために尽力してくれた医療機関に感謝の気持ちをこめて寄付することや、更なる医療技術の進歩のために研究機関に寄付をしたい場合が考えられます。この他にも自分が実現できなかった夢があるとすれば、その関係団体に寄付を通じて応援することも素晴らしい社会貢献の形だと思います。そうして社会に対して何らかの貢献ができるということは、自身の満足感も得られると思います。

 

❚ 節税

 

相続人の税金が軽くなるというメリットですね。

国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄付した財産は、相続税の非課税財産となります。

そのため、遺言による寄付をおこなうことで、相続税の負担を軽くできる可能性があり、これもまたメリットの1つと言えるでしょう。

 

3,知っておいて頂きたい遺贈寄付の注意点

遺言による寄付は死後に行われるため、やり直しができません。

したがって、法律や税金の面、寄付を受け取ってくれる相手の状況など注意したい点があります。

それでは注意したいポイントをご紹介します。

 

‣遺贈寄付にも遺留分はあります

遺留分は、兄弟姉妹を除く相続人に認められた相続財産の「取り分」のことです。

遺留分を侵害するような配分の遺言があった場合でも遺言としては有効であり、その通りに遺産は配分されますが、遺留分を侵害された相続人は遺留分に不足する分の金銭を他の相続人や受遺者に請求でき、これは遺留分侵害額請求と言われています。

 

そして遺留分は遺贈寄付の場合にも適用されます。

遺言により非営利団体などに多くの相続財産を寄付した結果、相続人の遺留分を侵害すると、その相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。

可能性があるというのは、この請求は「権利」なので侵害された相続人が必ず行使すると決まったわけではないという意味です。しかし相続人と団体との間でトラブルを起こしてしまう可能性があります。よほどの事情が無い限り、遺留分を侵害する遺贈寄付は避けた方が良いです。団体側もそのようなトラブルが起こり得るような寄付は望んでいないはずですので、注意が必要です。

 

では、遺留分を侵害しなければ遺贈寄付は自由にできるかと言えば、法的には確かに問題ありませんが、実際には遺留分のない兄弟姉妹などとの間でもトラブルは起こります。例えば、生前にお世話になった、葬儀やお墓などで手間をかけたなど、お世話になった方に対してそれなりの配慮があった方が、円滑な遺言執行が期待できますし、遺贈寄付の意思がスムーズに叶えられるのではないでしょうか。

 

‣遺贈寄付の種類に注意しましょう

先述しましたように、遺言による寄付には特定遺贈と包括遺贈があります。

希望する寄付にあわせて、財産を特定するのかそれとも割合で決めるのか、寄付の種類を使い分けることが重要です。

 

包括遺贈を使う場合は、特に注意が必要になります。 

 

包括遺贈は割合による寄付ですが、種類を問わず全ての財産をひっくるめて割合を指定することになります。その結果何が起こりうるかをもう少し具体化すると、その遺産が全てプラスの財産ではなく、借金のようにマイナスの財産が含まれている場合もあるかもしれないということです。そうなると、せっかく財産を譲りたい思いはあっても、実際に遺産を調べてみたら負担しきれないような借金があった。結果、寄付先は借金に困ってしまい、相続放棄せざるを得なかった・・・。包括遺贈にはこのようなリスクがあることを知っておきましょう。

 

包括遺贈は法定相続人(子供や配偶者、直系親族など)と同じ権利を得ます。相続人と同じ権利を得た結果、寄付先が遺産分割協議に参加するケースもあります。遺産分割協議で寄付先と相続人が揉める可能性も無いとは言い切れません。

包括遺贈を使う場合は、寄付先の負担にならないよう注意する必要があります。

 

‣遺言執行者を決めておきましょう

遺贈寄付を確実に実行するためには、遺言執行者の存在が欠かせません。

遺贈寄付に多少なりとも不満を持つ相続人がいても、粛々と執行を完遂することが遺言執行者の使命です。そのためには法律の知識や手続きの経験が必要ですので、遺言執行者は専門家に任せるのが良いでしょう。

 

専門家と言っても、弁護士・司法書士・行政書士などは法律の専門家、税理士は税務の専門家、信託銀行は遺言信託の専門家など様々です。遺言執行者は法律の知識を必要としますので、法律の専門家に依頼するのが良いでしょう。選定にあたっては、遺言執行報酬も判断材料ですが、遺言に付帯する見守り契約・任意後見契約・死後事務委任契約等が必要に応じて選べるかも実務の上では大切なポイントです。

 

なお、当事務所の場合もそうですが、遺言作成の相談を受けた専門家がそのまま遺言執行者となるケースが多いように思います。相談を受けた専門家は、相続人の状況や財産内容をよく把握していますし、何より遺言者の意向を直接聞いていますので、この財産配分に至った思いや背景も知っています。どんな抵抗があろうと、執行者は遺言者の遺志を実現しようと行動するはずですので、遺言のご相談をする時は「この人に遺言執行を任せることになる」と思いながら、ご相談されると良いと思います。

 

‣遺言書は公正証書で作成するのがベストです

遺言による寄付をしようとしても、遺言書を相続人に見つけてもらえないリスクがあります。

遺言書が本物かどうか、寄付が本当に遺言者の意思によるものなのか、遺言書の有効性をめぐってトラブルになる可能性もあります。

遺言による寄付をするときは、公正証書による遺言書を作成することで、そうしたリスクやトラブル対策を回避することができます。

 

公正証書遺言とは、公証役場で作成する遺言書のことですが、公証役場の公証人は法律と文書作成の専門家になります。その公証人が作成するということは、遺言書の形式面の不備や本人性の問題、役場での半永久保管されることから紛失や、見つけてもらえないなどのリスク対策にもなり、一番安心な作成方法です。

 

‣寄付先への確認と税金面の優遇制度

遺言による寄付をおこなうときは寄付先にも注意する必要があります。

 

寄付金控除の対象になる団体に寄付すれば、所得税の税制優遇も受けられます。

寄付金控除の対象にならない団体に寄付してしまうと、所得税の税制優遇は受けられません。

所得税の税制優遇も受けたい場合は、寄付金控除の対象になる団体か確認することがポイントになります。節税のために寄付するときは注意が必要になりますので税理士などの専門家にもアドバイスを受けてみるの一つですね。

 

また、寄付先にとってその遺贈が本当にプラスの意味で受け取ってもらえるのかどうかという点も確認しておくとより親切だと思います。

遺言者側では判断できない面もありますので、寄付先に直接ご相談されるとよいでしょう。

 

4,まとめ

遺言による寄付は可能です。ただし遺贈の種類やポイントに注意しておかないと、せっかくの寄付が寄付先や相続人に思わぬ負担をかけてしまっては残念な結果になってしまいますね。
そうならない為にも、押さえるべき点はしっかり押さえて、よりご自身の思いが実現できるような遺言書を作成して頂ければ幸いです。

 

「公正証書遺言」の作成、「遺言執行者就任」なら当事務所へおまかせください

当事務所は、京都府向日市、長岡京市を中心に公正証書による遺言書の作成や相続発生後の遺言執行に至るまで、一貫した支援をさせていただく行政書士事務所になります。将来の不安を安心に変えるお手伝いを精一杯させていただきますので、お困りごとがありましたら一度当事務所へご相談ください。

案件によっては税理士や司法書士などの他士業とも連携しながら遺言者様の希望を形にいたします。

 

遺贈に関することや遺言執行についても、もう少し詳しく聞いてみたい方は、下記フォームからご連絡ください。ご相談は、対面のほかオンラインも可能です。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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