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【事例】前妻との間に子がいる人は必見!争族にしない生前対策

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

京都府向日市、長岡京市、京都市、亀岡市で公正証書遺言の作成支援をしております行政書士の林宏雄です。

 

今回は実際のご相談事例をご紹介したいと思います。

 

ご相談者:夫(72歳)

ご家族:妻(60歳)、現妻との間に子どもはいない

過去に結婚歴があり、前妻との間に子(長男35歳、長女32歳)がいる

 

現在、妻と二人暮らしをしているが、前妻との間に子どもが二人いて、現妻とその子ども達とは一切交流がありません。

財産としては、自宅不動産と若干の預貯金があります。

このような状態でもし私が亡くなったら相続関係はどうなるのか、後妻と子ども達には円満に相続させたいが、どのように対策をすればよいか、というご相談です。

 

今回は、前妻との間に子どもがいる場合の相続関係、現在できる対策についてご紹介します。


目次


1,前妻との間の子は相続人になるのか

被相続人の子は、相続人となる。(民法887条①)

 

上記のように、亡くなった人の子は全員相続人になると民法で定められています。

たとえ今回のご相談者のように、離婚した前妻との間に生まれた子が前妻と暮らしており、離婚以後全く会っていなかったとしても、亡くなった人の子どもであることは事実ですので、やはり相続人となります。

 

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。(民法890条)

 

ちなみに、離婚をした前妻は現在は配偶者ではありませんので相続人ではありません。

 

2,何が問題になるのか

亡くなった人の再婚後における相続では、後妻が前妻との間の子と共に相続人になります。後妻の立場から見れば、前妻との間の子どもは他人ですから、日頃のコミュニケーションはもちろん無く、そもそも連絡先も知らないことが一般的なのではないでしょうか。だからといって、後妻が単独で相続手続きを進める事はできません。先に述べたように、前妻との間の子もやはり共同相続人であり、遺産を相続する権利があるからです。

 

相続の手続きでは、相続人が集まって誰がどの遺産をどういう風に分けるのかということを話し合う必要があります。これを遺産分割協議といい、相続人全員で行わなければなりません。したがって、共同相続人のうち1人でも遺産分割協議に参加していない人がいれば、その遺産分割協議は残念ながら無効となってしまいます。

 

前妻の子の連絡先を知らない場合には、市役所の戸籍窓口で戸籍の附票を取得すれば住所を確認することができます。連絡先を調べた上で、前妻との間の子にも被相続人が亡くなったことを手紙などで通知し、遺産分割協議に参加してもらいましょう。

 

しかしながら、残された相続人がお互いに面識がなかったり、離婚した父親に対してマイナスの感情を持っていることも少なくありません。そんな状況では遺産分割協議を行うこと自体が難しくなります。そうなると相続手続きを行えませんので不動産や預貯金などの名義が変更できないまま、結局は相続人全員が大変な思いをすることになります

 

3,具体的な生前対策

そうならないように生前に対策をするのであれば、やはり遺言書を残しておくことが最も有効でしょう。

なぜかというと、遺言によって遺産分割の方法を指定しておけば、相続人全員による遺産分割協議を行うことなく遺産相続の手続きをすることが可能だからです。この遺産分割協議が必要ないことが遺言書を作成する最大のメリットになります。

 

今回のご相談者としては、自宅不動産は後妻に、預貯金は前妻との間の子2人に半分ずつ渡したいという希望があったので、その内容を法的に有効な遺言書として作成しておけば、夫が亡くなった時は生前の意思通りに、後妻と前妻との間の子による遺産分割協議をさせることなく相続させることができます。

 

ただし、一定の相続人には遺留分侵害額請求という権利が認められていますので、それを考慮した遺言書にしておくとよいと思いますが、遺言者の思いや財産の状況により個別に検討、ご相談頂く方がよいでしょう。

 

もう一つ考えられる方法は生前贈与です。しかし相続対策上の生前贈与ということであれば、それは遺産の前渡しであるとして特別受益にあたる可能性があります。特別受益というのは相続人の間の不公平を防ぐために定められた制度で、そのような贈与の額は、相続開始のときに実際に遺されていた相続財産の額と合算したうえで、各相続人の相続分を決めなければならいとされています。(「特別受益の持ち戻し」といいます)

 

4,遺言書は公正証書での作成が絶対オススメ

生前対策としては遺言書の作成が有効ですが、作成する場合は公正証書による遺言書を作成しましょう。

公正証書遺言というのは、公証役場で公証人と一緒に作成する遺言書です。実際には戸籍関係や各種証明書類を公証役場(公証人)に提出し、公証人と遺言者(又は私達行政書士が代行する場合もあります)で事前に打ち合わせをした内容で公証人が遺言書を作成します。遺言者は最後の署名と押印するのみです。

 

これらの手続きにスケジュール調整や費用がかかりますが、公証人が作成するため自筆証書遺言とは違い、要式の不備によって無効になることはまずありません

 

また、家庭裁判所での「検認」が不要になりますので、その点も自筆証書遺言とは異なり、相続が開始すればすぐに各相続手続きを進めることができます。

 

5,遺言執行者を指定しておきましょう

公正証書遺言であれば有効性についても安心ですし、検認が不要など相続人の負担を大幅に減らすことができます。一点だけお願いしたいのは、その遺言書の中で遺言執行者を指定しておきましょう。

 

遺言執行者とは、文字通り遺言内容を実現するために執行する人のことです。

 

遺言書では遺言執行者を指定することが認められており、被相続人が亡くなった後、遺言執行者が単独で相続手続きの一切を進めることができます。後妻を指定するのもよいですし、手続き面で負担をかけたくないのであれば、専門家を指定しておくと安心ですね。

 

6,まとめ

以上、前妻との間に子がいる人向けの生前対策についてご紹介しました。やはり遺言書の作成が有効となります。今は元気だから・・・と先延ばしにして後で後悔するより、元気な今のうちに是非検討してみてください。その場合は公正証書で作成すること、そして遺言執行者を指定するようにして頂けたらよろしいかと思います。

 

「公正証書遺言」の作成、「遺言執行」の手続きなら当事務所へおまかせください

当事務所は、京都市を中心に関西全域で、公正証書による遺言書の作成支援や相続のお手続きをサポートさせて頂く行政書士事務所になります。将来の不安が安心に変わるお手伝いを精一杯させていただきますので、お困りごとがありましたら一度当事務所へご相談ください。

案件によっては税理士や司法書士などの他士業とも連携しながらご相談者様の希望を形にいたします。

 

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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