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死因贈与について

自分が亡くなった後に財産を人へ渡したい場合に「遺贈」という方法がありますが、類似している方法として「死因贈与」があります。今回はこの死因贈与について触れたいと思います。

 

目次

1,死因贈与とは

死因贈与とは、財産を渡す人(贈与者)が亡くなることによって効力が発生する贈与契約になります。贈与者の死亡によって効力を生じる点においては、遺言者の死亡によって効力を生じる遺贈と共通しています。しかし死因贈与は、贈与者ともらう人(受贈者)との契約なので贈与者の死因贈与の申込み受贈者の承諾という意思表示が必要という点では、遺言者が単独で行う遺贈とは異なります。

 

死因贈与は、遺贈との共通点があることから、原則として遺贈に関する民法の規定を準用するとされていますが、相違点もありますので次でいくつかご紹介したいと思います。

 

2,遺贈と死因贈与の相違点

  遺贈(遺言書) 死因贈与
能力  遺言は15歳に達すれば単独でできる。 未成年者が行う場合には親権者の同意を得て、又は親権者が代理して行う必要がある。
双方の合意 必要なし。受遺者の承認は必要なく、遺贈者の一方的な意思で財産を渡せる。 必要あり。受贈者の承諾が必要。贈与者と受贈者との契約によって可能となる。
財産の移転方法 遺贈者が遺言書に記しておく。民法に定められた遺言の方式である必要がある。 贈与者と受贈者が生前に契約する。契約書の書式に決まりはない。
相続放棄 できる。 契約のため、一方的な放棄はできない。

3,死因贈与の注意点

死因贈与は遺言書(遺贈)とは違い書面によらず口頭でも行うことができます。効力が発生する贈与者の死亡後では、本人に意思確認もできず、書面にも残っていないとなれば、贈与に関して争いが生じることは十分に考えられます。したがって、確実に死因贈与を行いたいということであれば、書面で死因贈与契約を結んでおくことが必要です。

 

4,まとめ

今回は死因贈与と遺贈の相違点についてざっくりとご紹介させていただきました。あげる側、もらう側の意思が合致している契約なので一方的意思表示である遺贈と比べると思いが実現しやすいと思われます。しかし税金面や登記の面において考慮しておいた方がよい点などもありますので、また改めてご紹介したいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

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