
目次
7,まとめ
1,何かあっても誰にも気づいてもらえないという不安
今の時代は独身未婚や夫婦の別居・離婚・死別、子の独立などによる単身世帯も増えています。
その中でも一人暮らしをされている高齢者にとっては、「近くに頼れるご家族がいない」「今は元気だけどもし病気やケガなどになってしまったら・・・」という不安を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
定期的に連絡をとったり顔を合わせたりできるようなご家族や知人などがいなければ、もし健康状態が悪くなったり、判断能力が低下してきたりしたときには、誰にも気付いてもらえません。
その結果、孤独死を招いてしまうようなことも現実には起きています。
2,見守り契約は内容を自由に決められる
近くに頼れるご家族や知人がいない場合でも、信頼のできる第三者にお願いして定期的に連絡をとったり、様子を見に自宅まで来て今の健康状態や生活の状態などを見守ってもらうことができたら、大きな安心感を得ることができ、精神的にも安定した生活を送ることができます。
このようにご本人の判断能力がしっかりされている間も、電話や訪問によって定期的に連絡を取ることで、 ご本人の心身の健康状況を把握して、生活を見守ることを「見守り契約」と一般的には言われています。
見守り契約は、法律で具体的に規定されているような契約ではありませんので、契約内容自体も当事者との間で自由に決めることができます。
一般的には、上記のように定期的に電話連絡や自宅訪問をしてもらう約束をすることが多いですが、病院への付き添いをお願いしたり、緊急時にかけつけてもらうこと、またご家族が遠方にお住まいであればそのご家族に対して健康状態や生活状況を報告してもらうことも可能です。
3,任意後見契約と組み合わせることが多い理由
これまでご紹介してきた見守り契約は、通常、任意後見契約とセットで締結します。
任意後見契約というのは、将来認知症などで判断能力が低下してきたときに備えて、自分が選んだ信頼できる人に任意後見人になってもらうための契約を言います。
任意後見契約は、実際に判断能力がなくなってはじめて効力が生じる契約ですので、判断能力が低下したことを知る人がいないと、いつまで経っても任意後見はスタートしません。それでは任意後見契約を結んだ意味がなくなってしまいますね。
これに対して、見守り契約は今すぐにでもスタートさせられる自由な契約です。
任意後見契約と併せて見守り契約を結んでおけば、任意後見が開始(判断能力が低下)する前から心身の健康状態を常に把握してもらえますので、判断能力がなくなったときに速やかに任意後見開始の手続きをとることができます。
こうしたことから、見守り契約は任意後見契約を補い、将来に備えて今をより安心して生活するという目的で用いられることが多くなっています。
4,信頼関係を築けるかという視点も大切です
見守り契約と任意後見契約を同時に結ぶことは、得られる安心感という意味ではご本人の状況確認以外にも大切な点があります。
それは、将来的に任意後見人になる方と、定期的に連絡や面会をすることで、多くのコミュニケーションをとることになり、信頼関係を構築していけるという点です。
見守り契約は、任意後見が開始された後、ご自身に代わって様々な代理行為をしてくれる人が、一体どういう人なのか、自分の判断能力が低下した後にしっかり後見活動をしてくれる信頼できる人なのだろうか・・・といったことを、判断能力があるうちに、じっくりと見極めることができます。
見守り契約中に、将来後見人になってくれる人の対応をご自身の目で確認できますので、任意後見契約の見直しや解除という選択肢も考えることができ、そういう将来への安心という意味においても、とても良い契約と言えます。
5,安心して契約できる人を探しましょう
見守り契約のサービス提供者はたくさんありますが、誰でもよいという訳ではありません。
もし自分に何かが起きたときにに、安心して任せられる相手でなければ当然依頼することはできません。
親族がいる人であっても、遠方に住んでいたり、頼れない事情があるなど、様々なケースがありますので、信頼できる第三者に見守りを依頼したい場合もあると思います。
そして、先に述べましたとおり、見守り契約は任意後見契約とセットで結ぶのが最も有効な方法ですので、単に見守りだけでなく、その先の将来的な視点も考えるべきです。
そういう意味では国家資格を持つ行政書士や司法書士は、法律知識をもつ専門家ですから、日常における困りごとの相談もできますし、何かあったときにはスムーズな対応をしてもらえるでしょう。
いずれにしても契約内容は自由に設定できますが、やはり実際に面会しお話しをされる中で安心できる、心許せる人と契約するようにしましょう。
6,見守り契約をおすすめする方
これまで見守り契約の内容やポイントなどをご紹介してきましたが、最後に見守り契約をおすすめする方をまとめてみましたので、当てはまる方は参考にして頂ければと思います。
- 独身の方
- 離婚をして現在一人暮らしをしている方
- 子どもや兄弟がなく配偶者が既に亡くなっている方
- 親戚と疎遠になっている方
- 家族が遠方にいる方
- 認知症に備えて今できる対策を検討している方
- 悪徳商法ひ引っかからないかが不安な方
- 困りごと相談をしたいが自分からは相談に行けない方

7,まとめ
- 見守り契約とは、電話や訪問によって定期的に連絡を取ることで、 ご本人の心身の健康状況を把握して、生活を見守る契約です。
- 見守り契約は信頼できる人と内容を自由に決められます。
- 将来への備えとして任意後見契約と一緒に締結するのがベストです。
- 信頼関係を築ける第三者で、国家資格をもつ専門家と契約することをおすすめします。
生前の相続対策なら当事務所へご相談ください
当事務所は、京都市、長岡京市、向日市を中心に、生前の相続対策の支援をしている行政書士事務所です。遺言書の作成や財産管理委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約、尊厳死宣言書など様々な角度からご本人様やご家族様が安心できる人生を送って頂けるようなご提案をさせていただきます。見守り契約につきましてもご相談ください。まずはご希望やお困りごとなど、お話しをじっくりと伺いたいと思います。お気軽にご相談ください。
案件によっては税理士や司法書士などの他士業とも連携しながらご相談者様の希望を形にいたします。
ご相談予約は下記フォームからお問い合せください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
行政書士はやし行政法務事務所
代表行政書士 林 宏雄
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