
目次
1、戸籍のつくり方
戸籍は市町村役場で作成されます(戸籍法上は市町村長が管掌します)。
実際に作成するのは戸籍の担当者です。
その担当者は、本人の届出によって作成や記録をすることになります。
どこに届けるのかというと、届出者本人の本籍地か所在地のどちらかになります。
(「本籍地」と「所在地」については前回の記事をご覧ください)
多くの場合、自分自身の戸籍をつくるのは結婚のときではないかと思います。
生まれてから結婚するまでは、親の戸籍に入っていますが、結婚すると親の戸籍から出て夫婦の新しい戸籍をつくることになります。(新戸籍の編製といいます)
ところで本籍地って、日本中のどこにでも設定できることはご存知でしょうか?
USJとかディズニーランドを本籍地とすることもできます。
ただ、住所地からあまり遠いところだと戸籍謄本の取り寄せなどは大変なのでおすすめはしません・・・。
2、転籍と分籍
結婚し夫婦で新しい戸籍をつくったら、この先ずっと本籍地を変えることができないかというと、そんなことはありません。
先ほど述べましたように日本国の領土であればどこにでも変えることができます。
このように、本籍地を移動することを転籍といいます。
手続きとしては、転籍届を本籍地の市町村に提出する、以上で完了です。
提出先は本籍地以外にも転籍地や住所地でもOKです。
届出が受理されると、新しい本籍地で戸籍がつくられ、以前の本籍地の戸籍は除籍されます。
ただし、夫婦の場合は同一戸籍となりますので転籍届を提出する際は夫婦そろっての提出になります。
細かな話しになりますが夫婦別々の認印も必要な点は要注意です。
分籍とは、在籍する戸籍から離れ、新たに単独の戸籍をつくることを言います。
成人(満18歳)であれば自由に分籍できます。
ただし戸籍筆頭者およびその配偶者以外の人である必要があります。
転籍と同じように日本中でこにでも本籍地を設定できますが、未成年者は分籍できません。
手続きも転籍と同様で本籍地、住所地、転籍地のいずれかの市町村に分籍届を提出し受理されれば完了です。
3、結婚と離婚、戸籍はどうなるか
親の戸籍から離れ、結婚相手と新しく夫婦の戸籍をつくる際に、夫と妻のどちらの姓(氏うじ)を名乗るかを決めなくてはなりません(令和4年2月現在)。
そしてその決めた姓を元々名乗っていた夫または妻が、新戸籍の筆頭者になります。
その他にも必要事項を記入し、夫婦になる2人と成人の証人2人が署名押印(認印でOK)すれば婚姻届が完成します。あとは、届出地に本籍のない人の戸籍謄本(全部事項証明書)、届出人の本人確認書類、夫と妻の印鑑を用意し市役所の窓口に届け出て、本人確認、書類審査を終え受理されると、法律上の結婚(婚姻)が成立し、夫婦の新戸籍がつくられます。
(京都市が発行しているオリジナル婚姻届はこちらからご覧いただけます。A3の白紙に印刷すれば実際に提出できますよ。京都市内に提出予定の方、よろしければお使いください。)
私が結婚した時、京都市内の区役所に婚姻届を提出した時の事を思い出しました。
とてもドキドキして提出した割には、1~2分後に窓口の方に「はい、受理しました、手続きは以上です」というような主旨をさらっと告げられただけで、とてもあっさりした手続きなんだなという事を記憶しております。
さて、結婚される方がいる一方で離婚される方もあります。
その場合の戸籍はどうなるのでしょうか。
夫婦が離婚すると、筆頭者でない配偶者は夫婦の戸籍から除籍されます。
除籍されると、結婚前の戸籍に戻る(復籍といいます)ことに原則はなっています。
ただし、夫と妻、成人の証人2人が署名押印した離婚届を提出し受理(法律上の離婚が成立)されてはじめて除籍されることになります。
手続きの上では上記離婚届を本籍地または住所地の市町村に提出すること、本籍地以外に届出をするときには、夫婦の戸籍謄本が必要になりますし、また協議離婚以外の離婚の場合は調停調書や判決文などの謄本を添えて離婚届を提出することになります。
もし夫婦に未成年の子がいるときは、その子の親権者に夫または妻のどちらがなるかを決めないと離婚届は受理されません。
少し余談になりますが、
離婚届の提出は慎重に決めてください。
この関係のお話しはまた別の機会にしたいと思います。
これまで、転籍、分籍、結婚、離婚の際に新たな戸籍がつくられる事を述べましたが、これ以外の原因、例えば
- 戻るべき戸籍が除籍されていたとき
- 性別取扱いの変更の審判を受けたとき
- 戸籍がない人が新たに戸籍をつくるとき
- 戸籍を改製したとき
などの場合は戸籍が新しくなります。
以上、今回は「戸籍はどのように作られるか」という主テーマのもと
転籍や分籍、結婚や離婚に関する戸籍関係について触れてきました。
日常的に関わる機会は少ないかもしれませんが、何かの折にお役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
次回は、「戸籍の取り方」について触れたいと思います。
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