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遺産分割の方法

目次

1,遺産分割の基準

そもそも遺産分割というのは、遺産について相続人の間で誰がどの遺産を取得するのかを決めることです。法律では遺産の分割の基準として以下のように定められています。

 

民法906条

「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」

 

この規定は、遺産分割は遺産や相続人それぞれの個性をちゃんと考慮して行いましょう、ということです。

実際の場面では次のような流れで進んで行きます。

  1. 亡くなった方が遺言で遺産分割の方法を定めているときはそれによる。
  2. 遺言がないときは、相続人の協議で決める。
  3. 協議が整わないときは、家庭裁判所に調停を申し立て、その席の話し合いで決める。
  4. 調停でも決まれなければ審判手続きによって家庭裁判所が遺産分割方法を決定する。

民法906条の遺産分割の基準は、家庭裁判所の審判に適用されるものですが、協議や調停においても指針となります。

 

2,①現物分割

遺産分割の方法としては①現物分割、②代償分割、③換価分割といった方法がありますが、原則的な方法は①現物分割という方法だと思います。現物分割は、不動産や預貯金といった遺産を、相続人Aには不動産を、相続人Bには預貯金をというように現物で分ける方法をいいます。相続人の間で、遺産の種類ごとに上記のように分けることで折り合いがつくのであれば、現物分割の方法がよいと思います。

 

3,②代償分割

代償分割は、債務負担による遺産分割とも呼ばれていますが、相続人AにはAの相続分を超える額の遺産を現物で取得させる代わりに、他の相続分に満たない遺産しか取得できない相続人Bに対して、債務を負担させる方法です。つまり、余分に取得する相続人が他の相続人に代償金を支払うことで調整をするということです。不動産が1つしかなくて現物分割が難しい場合や、現物分割をすると価額のバランスがとれない場合は代償分割もよい方法と思います。

 

4,③換価分割

現物分割や代償分割でも難しい場合には換価分割による方法があります。これは遺産の一部または全部を処分して、その代金を相続人で分けるというものです。不動産や動産を分けることがかえって残された相続人の間の関係を悪化させるのであれば、相続人全員の納得のもとにこの換価分割の方法もよいでしょう。

 

以上、遺産分割の方法についてご紹介させていただきました。

まずは現物分割を検討した上で調整がつかないようであれば、現物分割、代償分割、換価分割をそれぞれ組み合わせることによって相続人全員が納得できる方法を協議してみてください。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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