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限度額適用認定証とは

目次

1,限度額適用認定証とは

高額療養費は、後からの申請によって自己負担限度額をこえた支払額が払い戻される制度ですが(前回の記事「高額療養費制度」をご覧ください)が、払い戻されるのは一般的に申請から3か月後くらいになりますので、一時的な支払額は大きな負担になります。その負担を軽減するために、高額な一部負担金等を支払うことがあらかじめ分かっている場合には、「限度額適用認定証」を医療機関等の窓口に提示することで、1か月(1日~末日)の支払いが高額療養費の自己負担額までとなります。

 

したがって、高額療養費を請求する必要がなくなります。

 

2,限度額適用認定証の申請・交付・利用の流れ

まず、全国健康保険協会(協会けんぽ)都道府県支部または健康保険組合に「健康保険限度額適用認定申請書」(以下、「認定証」)を提出します。協会けんぽの場合は、ホームページから用紙をダウンロードできます。

 

認定証は、被保険者または限度額適用認定申請書に記載された送付希望先に届きます。交付されるのは申請から1週間程度かかります。

 

医療機関等の窓口に、健康保険証認定証を提示します。

 

認定証の有効期限は、申請書に記載した療養予定期間(申請期間)となります。申請月の初日(健康保険の資格取得した月に申請した場合は資格取得日)から最長で1年間です。

 

認定証は70歳未満の方が利用できます。なお、平成30年8月診療分から、70歳以上75歳未満の方のうち、所得区分が現役並みⅠ現役並みⅡの方についても認定証を利用することができるようになりました。

 

70歳以上75歳未満標準報酬月額が26万円以下83万円以上の方は「高齢者受給者証」を提示することで医療機関等の窓口での負担が自己負担限度額までとなります。

 

3,自己負担限度額

認定証を医療機関等の窓口に提示した場合は、窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。自己負担限度額は、被保険者の年齢と所得区分によって次のように分類されています。

 

【70歳未満の方(平成27年1月診療分より

被保険者の所得区分 自己負担限度額

区分:ア

標準報酬月額83万円以上

 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

[多数該当:140,100円]

区分:イ

標準報酬月額53万円~79万円

 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

[多数該当:93,000円]

区分:ウ

標準報酬月額28万円~50万円

 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

[多数該当:44,400円]

区分:エ

標準報酬月額26万円以下

57,600円

[多数該当:44,400円]

区分:オ

被保険者が市区町村民税の非課税の者等

35,400円

[多数該当:24,600円]

 

【70歳以上75歳未満の方(平成30年8月診療分より)

被保険者の所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯)

区分:現役並みⅢ

標準報酬月額83万円以上で

高齢受給者証の負担割合が3割

 

 

 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

[多数該当:140,100円]

区分:現役並みⅡ

標準報酬月額53万円~79万円で

高齢受給者証の負担割合が3割

 

 

 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

[多数該当:93,000円]

区分:Ⅰ

標準報酬月額28万円~50万円で

高齢受給者証の負担割合が3割

 

 

 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

[多数該当:44,400円]

区分:一般

現役並み・低所得者以外

18,000円

[年間上限額14.4万円]

57,600円

[多数該当:44,400円]

区分:低所得者   

Ⅱ(*1)

8,000円

24,600円

Ⅰ(*2)

15,000円

*1 被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。

*2 被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

 

自己負担限度額は、同じ医療機関であっても①医科入院、②医科外来、③歯科入院、④歯科外来に分けて計算されます。また、差額ベッド代などの保険外負担入院時の食事負担額対象外となります。

 

なお、被保険者が市区町村民税の非課税などによる低所得者の場合は、「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」の提出が必要となります。

 

4,まとめ

以上、限度額適用認定証についてまとめてみました。病院の窓口の方に「認定証を提出するといいですよ」などとご案内される場合があるかもしれませんが、それはこの限度額適用認定証のことだと思います。窓口案内が無くてもこの制度を知っていれば事前に手続きしておくことで窓口での支払額の負担が軽減できますのでご活用いただければと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

特定行政書士 林 宏雄