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死後事務委任契約とは

目次


皆さま、こんにちは。

行政書士の林です。

 

10月も半ばになりました。

ここにきてようやく涼しさが増し過ごしやすくなってきたと感じています。

各地の緊急事態宣言も解除され、人々の動きが増々活発になってきてますね。

とはいえ、新型コロナの感染対策はこれまで通り十分に行い、

気を緩めることなく行動していきたいものです。

 

さて今回のテーマは「死後事務委任契約」。

 

そんな契約あるのか!と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢者の財産管理方法の1つとして知っておいて損はない契約です。

それでは詳しく見ていきましょう。

 

1. 死後事務委任契約とは

死後の事務は、通常、相続人が行いますが、葬儀方法やペットの面倒などについては必ずしもご自身の意思が反映されるとは限りしませんし、配偶者がいない場合や配偶者がいるとしてもお子さんがいない場合、ご兄弟等の親族がいない場合や、いたとしても疎遠になっている場合には、ご自身が死亡した後の処理を、望む形で実現することは困難です。

 

そこで、生前に死亡した後の事務を第三者に委任して実現するために、死後事務委任契約を締結するという方法があります。委任する具体的な事務として、

  • 葬儀や納骨
  • 施設使用料の支払い
  • 飼っているペットの処遇
  • ツイッターやブログなどのSNSの削除、閉鎖・・・

などが考えられます。

私たち行政書士のような士業等の専門家を受任者とすることが可能です。

 

2. 死後事務委任契約の法的性質

死後事務委任契約は、委任契約ですので、受任者には善管注意義務(「良なる理者の注意義務」の略で

業務を委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位などから考えて通常期待される注意義務のこと)が課されます。

 

また、委任者(委任者が死亡した後は相続人)に対し事務の状況報告義務や受任者が委任事務を処理するに当たり受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡す義務などの各義務を負います。

 

また、委任契約は特約がなければ無償ですので、受任者が委任者に対し、報酬を請求する場合には特約を締結する必要があります。

 

3. 相続人による死後事務委任契約の解除の可否

死後事務委任契約は委任契約ですが、委任契約は当事者間の個人的な信頼関係を基礎とするため、当事者の一方が死亡した場合には終了することになります。(民法653)

 

このため、委任者が死亡した場合、死後事務委任契約も終了することになると考えられますが、上記規定は任意規定ですので、当事者の合意では排斥することも可能です。

 

しかしながら、委任者の死亡によりその地位を承継した相続人が契約解除権を行使することができるかどうかという問題となります。

 

この点については、解除できないという最高裁、高裁の裁判例があります。そして契約を履行させることが不合理と認められる特段の事情がない限り、委任者の地位を承継した者に同契約を解除する事を許さない合意を包含すると判示しています。ちょっとわかりづらい表現ですが、言い換えれば「よっぽどの事情があれば別だが、そうでないなら契約解除は認められない」ということです。

 

したがって、解除が認められる特段の事情(=よっぽどの事情)は今後の集積を待つ必要がありますが委任者の死亡によって死後事務委任契約は終了しないことなどを特約として盛り込んでおくことが望ましいでしょう。

 

4. まとめ

以上、「死後事務委任契約」について触れました。

 

ご自身が死亡したあとの処理について、第三者にお願いをしておくという契約。

公正証書遺言では、遺言執行者による医療費や負債の精算、相続手続きなどが行われますが、亡くなった直後にも納骨、葬儀、供養の手配などやるべき事務はたくさんあります。

 

死後事務委任契約公正証書遺言を組み合わせながら対策をしておくことが結果的にはご家族の負担も軽減することができるのではないでしょうか。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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