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遺言の方式についてまとめてみました

目次

1,はじめに

こんにちは。

京都府向日市の行政書士・林です。

 

日中は随分気温も上がり汗ばむ季節ですね。

でもまだ梅雨時期の6月。

梅雨が明けて本格的な夏を迎えるとこんなものではありません。

今年の夏は平年並みか、やや高めと予想されています。

水分をしっかり取って体調管理をなさってください。

 

さて、今回は遺言の方式について書いてみたいと思います。

 

遺言は、民法に定められた方式を満たさない場合には、効力が認められないことになります。

遺言の方式には大きく分けると普通方式特別方式があります。

 

【普通方式】・・・「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言

【特別方式】・・・「危急時遺言」、「隔絶地遺言

 

一般的には普通方式が活用されていますが、その中でもそれぞれメリット、デメリットがあるため、

遺言を残される方の思いや内容によってどの方式で作成するのか選択するとよいでしょう。

 

それぞれの特徴をご紹介します。

 

2,自筆証書遺言について

作成方法
  • 遺言者がその全文、日付及び氏名を自ら手書きし、押印することによって作成する
  • (改正民法では財産目録はパソコンでの作成が可能となりました)
メリット
  • 最も簡単で費用がかからない方法
  • 遺言の存在及び内容を秘密にすることができる
デメリット
  • 遺言書の紛失、偽造、変造されたりする危険がある
  • 方式の不備、文言の解釈に問題が生じる可能性がある
  • 家庭裁判所の検認手続きが必要

 

自筆証書遺言では文字通り自筆によること(=自書能力といいます)が要求されており、

民法968条2項に定められている目録を除いて、パソコン等による作成は認められていません。

 

氏名については

氏又は名のどちらかのみの記載でもよく、

戸籍上の氏名ではないペンネームでも有効であると解されています。

 

押印については

三文判や押印の代わりに指印でもよいとされています。

しかしながら、遺言の効力に問題を残さないために、

当事務所では戸籍上の氏名を用いて、実印を使用することをオススメしています。

 

日付については

「令和○年○月○日」というように年、月、日を明確に記載するようにすべきであり、

「令和○年○月吉日」という記載は認められないと解されています。

 

平成30年の改正民法では、自筆証書遺言の方式が緩和され、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合、その目録については自書しなくてもよいとされました。

つまり遺言者本人がパソコン等で作成してもよく、遺言者以外の者が作成してもよいことになります。

 

また、不動産について登記事項証明書、預貯金について通帳の写しを添付することもできるようになりました。

この部分についてはまた改めて投稿したいと思います。

 

3,公正証書遺言について

作成方法

  1. 証人2人以上の立ち会いがあること

  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること
  3. 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名押印すること
  5. 公証人が、その証書が1から4の方式に従って作ったものえある旨を付記して、これに署名押印すること
メリット
  • 公証人のもとに原本が保管されるので内容の変更、紛失の危険がない
  • 遺言の効力が問題になる危険性が少ない
  • 家庭裁判所の検認の手続きが不要である
デメリット
  • 公証人役場に証人とともに行かなければならない(ただし、遺言者が病気等により公証人役場に行くことができない場合は、公証人に病院、自宅まで来てもらうことができます)

  • 費用がかかる

 

公正証書作成当日は、

遺言者本人が確認できる公的証明書(免許証やマイナンバーカードなど)、

実印、印鑑証明書などが必要になります。

 

当事務所では、

遺言者様の想いを確実に実現できて、

ご本人様はもちろんご家族様にとってもより安心していただける

「公正証書遺言」の作成支援を行っています。 

 

4,秘密証書遺言について

作成方法

  1. 遺言者が遺言書に署名し押印すること

  2. 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること

  3. 遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること

  4. 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名押印すること

メリット
  • 遺言書の存在については明らかにしながら、遺言の内容を他者に秘密にして保管することができる
  • 自書能力がなくても作成できる
デメリット
  • 遺言書の内容については公証人が関与しないため疑義が生じる可能性がある

  • 遺言を執行するために家庭裁判所の検認が必要

 

秘密証書遺言としての要件を欠いていても、自筆証書遺言として要件を具備していれば、自筆証書遺言として有効になりますが、この方式はほとんど活用されていないのが実情です。

 

5,まとめ

 

以上、説明が続き読みづらくなってしまったかもしれませんが

普通方式の遺言についてご紹介させていただきました。

 

遺言は、その人の意思を次の世代につないでいくとても大切な手続きのため、

法律によって厳格な要件が定められています。

 

きちんとした形で「受け継ぐ側」、「受け継がれる側」の双方が

安心して生活できるようルールに沿った有効な遺言書を作成しましょう。

 

遺言書のご相談や作成サポートをご依頼の方はご連絡ください。

 

遺言書のことなら当事務所へご相談ください

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案件によっては税理士や司法書士などの他士業とも連携しながらご相談者様の希望を形にいたします。

 

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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