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遺言書を作成すると良いタイミング

遺言書を作るのは高齢者が多い現状ですが、年がいってから作るものだという価値観は徐々に変わりつつあります。今回は遺言書を作成するのによいタイミングをご紹介したいと思います。

 

目次


遺言書は15歳になれば作れます

遺言書というのは、残された家族へメッセージを伝えることもできますが、自身の財産をどのように分けたいかということを伝えるためのもので、しかも法的に効力をもつ文書になります。

 

民法では遺言は15歳に達すれば書くことができると定められています。

同時に遺言能力が必要であるとも定めています。

 

遺言能力というのは、遺言を残す本人が、遺言の内容を理解して、その結果、自分の死後にどのようなことが起きるかを理解することができる能力のことを言います。

 

認知症が進んでくると、残念ながら遺言能力なしと判断され、遺言書を書いても法的に無効になる可能性が高いといえます。

 

認知症だけではなく判断能力の低下や不慮の事故によって遺言書を作成できなくなることも考えられます。

 

高齢化社会と若い世代の価値観の変化

日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されており、高齢社会の日本では認知症に向けた取組が今後ますます重要になると言われています。(厚生労働省HPより一部抜粋)

 

こうした流れからすると、現状では実際に遺言書を書いているのは高齢の方が多いですが、それではタイミングとして遅くなってしまうケースも増えてくると考えられます。

 

遺言書が作成できないということは、自身が亡くなってしまうと、遺産は残された相続人で法定相続通りに分けるか遺産分割協議をせざるを得ません。

 

もし仮に遺産のほとんどが「不動産」であった場合、相続人が複数人いれば相続人全員の共有名義にするか、人数分で不動産を均等に分けるということは物理的に出来ませんから、遺産分割協議により長男が相続するのか?それとも売却して現金化し、話し合いで分割するのか?でも売却に反対する人がいたら?相続人はいいとしてもその配偶者がその分割に口を出して来たら?・・・など遺産をめぐり解決すべき問題がたくさん発生します。

 

あれこれと悩んでいるうちに「相続放棄・限定承認3ヶ月以内)」「相続税の申告10ヶ月以内)」といった期限も迫ってきます。

 

いくら大切な家族の話しとはいえ、日々を忙しくしている現役世代にとって時間を調整し、これらを協議・合意して手続きを行うという作業は簡単ではないはずです。

 

最近若い世代の方が遺言書を作成されるケースが増えてきていますが、高齢化社会を身近なものとして感じている方が増えてきたのか、過去の古いしきたりを変えたいという変革か、或いは身近に相続で大変な思いをした人がいたとか・・・いずれにしても財産の引継ぎに関しての価値観が少しずつ変わってきているのだと思います。

 

そうはいってもいざ遺言書を作成するとなれば、ついつい後回しになってしまうこともあると思うので、作成しておくお勧めのタイミングをご紹介したいと思います。

 

▼遺言書を作成するお勧めのタイミング

①:結婚、出産、離婚、再婚

これらは相続関係が大きく変わるタイミングです。

 

配偶者は常に相続人となりますが、それ以外の相続人は、

  1. 兄弟姉妹

上記の順番で順位が決められています。

 

結婚、出産、離婚、再婚などによって相続関係は大きく変わってくることから、遺言書を作成するにはよいタイミングです。ちなみに、遺言書は一度書いたからといって変更できないことはありませんし、自由にいつでも変更できます

 

②:マイホームの購入

これは財産が大きく変わるタイミングです。

 

不動産の購入後、自身に万が一の事が起こったときに子供がまだ未成年の場合、遺産分割協議には直接参加できないので家庭裁判所で特別代理人を選任する手続きが必要になり、とてもやっかいです。でもこの手続きをしないと不動産の名義変更手続きもできません。

 

冒頭にもふれましたが不動産を法定相続で分ける場合は相続人全員の共有となり、名義変更をはじめとする諸々の手続きの負担は大きいでしょう。

 

このようにマイホームをはじめとする不動産の購入は財産が大きく変化するので遺言書を作成するよいタイミングといえます。

 

③:定年退職

定年退職を迎えて退職金が入るとなれば、先ほどのマイホーム購入時と同じように財産が大きく変化することになりますし、老後の資産状況についてある程度見通しも立つと思われます。

 

遺言書を書くということは自身の築き上げた財産の棚卸しをすることにもなります。

 

人生100年時代ですから、退職後のライフプラン生前対策をより具体的に考えることができるなど、安心した老後生活につながります。

 

④:配偶者が亡くなったとき

配偶者は常に法定相続人になる人なので、もし亡くなると、大きく相続関係が変わります

 

子どもがいれば子どもが法定相続人になりますが、子どもがいなければ親、親がいなければ兄弟姉妹になります。

 

子どもが複数いれば、子ども達が集まって遺産分割協議をすることになり、これが原因でもともと仲の良かった兄弟姉妹が仲が悪くなり、以後疎遠になってしまうケースも考えられます。

 

こうした辛い状況を避けるには、子ども達への遺産の残し方について、しっかりと配慮した遺言書を作成しておくことが大切になります。

 

⑤:思い立ったとき

これまでご紹介したのは人生の中の大きな出来事が起きたときになりますが、やはり「思い立ったとき」が一番の良いタイミングと思います。

 

人間の意思は弱いところがあり、まあいいか、後から考えるか・・・といって後回しにしてしまうと、結局、あの時にやっておけば良かった・・・という後悔につながります。

 

今もし遺言書を書こうかなと思えたのであれば、それは今であれば書ける状況にあるからであって、突発事故が起きればそうはいきません。

 

交通事故に巻き込まれるなんて予想はできないし、天変地異やコロナによって亡くなっている方が現実おられます。

 

遺言書だけが万能とは言いませんが、あれば遺産相続で残された家族が思い悩むことも防げる可能性は高くなります。

 

他人事ではなく自分事として考えられる方は、やはり自分や家族を大切にできる方だと思います。

 

まとめ

今回の遺言書を作成するタイミングとしてまとめると

  • 結婚出産離婚再婚したとき
  • マイホームを購入したとき
  • 定年退職したとき
  • 配偶者が亡くなったとき
  • 思い立ったとき

まだ他にも考えられるタイミングはありますが、まとめると上記のように人生の中の大きな出来事が起きたときが作成のベストタイミングだと思います。

 

遺言書の作成を考えておられる方の参考になりましたら幸いです。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。


当事務所は、京都府向日市、長岡京市を中心に公正証書による遺言書の作成支援を専門とする行政書士事務所になります。将来の不安を安心に変えるお手伝いを精一杯させていただきます。遺言に関心がある今が一番良いタイミングかと思いますので、お気軽にお問合せをお待ちしております。その他相続のお手続きや公正証書、協議書、契約書作成に関しましても、初回のご相談(対面、オンラインいずれも可)は無料で賜ります。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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