この仕事に携わらせていただく中で感じるのは
「家族やお世話になった方のために作成する」という事でしょうか。
もちろんご本人様の意思をきちんと形として残すということは
これまで生きてきた証を残す意味では大切なことですが
結果的にその残されたものは受け継いでいかれる方のためになっていくのだと思います。
そして、専門家の立場というよりは、子の立場から本音を申し上げれば
親が一生をかけて築き上げた財産の行方は、やはり親に決めてほしいということです。
「うちの家族はみんな仲が良いから大丈夫」、「争いとは無縁だ」
というご家庭は多いですが、それは親から見た主観である場合も多く
残された相続人、例えば配偶者と子供の場合、亡くなった親の財産をリストアップし
預金や不動産、車その他一切の財産の分配を、生活環境が全く異なる子供達や親子で協議するのは
非常にハードルの高い話し合いだと思いますし、仲が良かったはずの家族が遺産分割協議を境に
価値観の相違からかえって空気が悪くなった…ということだってあります。
遺産分割協議を通じて亡き親を偲び、家族が一つになることもあるとは思いますが…。
遺言書を作成するには遺言作成能力が求められます。
つまり、判断能力が不十分となってしまうと(例えば認知症になると)法律行為をすること自体が
難しくなるため、遺言書を残しても無効になる可能性がある、ということです。
そうした状況を防ぎ、かつご自分の財産は元気なうちに責任を持って最後(行き先が決まる)まで
自分の意思で決めておくために今できる事、それが遺言書だと考えています。
遺言書はご自身だけでなくご家族にとっても安心で今を明るく生きていけるためのプレゼントだと私は思っています。
そして大切なことは
「遺言書を書いてみようかな」と思ったその時が作成する一番よいタイミングです。
法律上は15歳以上であれば遺言書を残せることにはなっていますが年齢はあまり関係ないと思います。
ご自身が書く場合や、ご両親に書いてもらいたいと感じた今こそ作成をオススメ致します。